開成ノーベル学会 2019:「確率」とは何か?


概要

「確率」は、日常生活ではたとえば「降水確率」や「ガチャ」などを通じて、数学を勉強したことがなくとも誰もが聞いたこともあるし馴染みもある言葉だろう。しかしながら、「適当に数を選んだら有理数が出る確率」や「無限に広い平面に 3 点を選ぶと鋭角三角形ができる確率」といったことを考えることはできるのだろうか? 一つの困難さは「無限」を考えることによって生まれる。無限をテキトーに扱うことは人類には未だ早すぎるのだ。これは「確率とは何か?」という問いをテキトーにしながら議論を進めていたことに由来する。

本講演では確率の厳密な定義をまず紹介し、具体的な使い方として $[0,1]$ 上にランダムに一点を取ったときに有理数、無理数となる確率をそれぞれ計算する。高校までの確率論は有理数のみを確率として許容しないし、他にも様々な概念が整理されていないままなのだが、この(少し荒削りな)イントロダクションを通して確率論の整理の行き届いた体系を勉強されるきっかけとなれば、非常に有難い。

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