2018年度開成文化祭 中学入試予想問題


B1 算数

(問題)(60分)

◎答えが分数になるときは、できるだけ約分して答えなさい。円周率が必要なときは $3.14$ を用いなさい。
◎必要ならば, 「$\text{角柱, 円柱の体積}=\text{底面積}\times\text{高さ}$」, 「$\text{角すい, 円すいの体積}=\text{底面積}\times\text{高さ}\div3$」を用いなさい。
◎一問でも解けたら, 採点係のところまで持ってきてください。 採点は何度でもできます。

1

次の各問いに答えなさい。

(1)

$x$, $y$, $z\leqq 30$, $2019=20\times x+19\times y+31\times z$ を満たす整数の組 $(x,y,z)$ を全て求めなさい。

(2)

A, B, C, D, E の 5 人が $100$ 点満点の数学のテストを受けました。5 人の平均点は $80$ 点で, A の点数は B の点数の $2.2$ 倍, C の点数は D の点数の $1\dfrac{2}{7}$ 倍でした. 同じ得点を取った人がいないとき, E の点数を求めなさい。ただし, テストの点数は $0$ 以上 $100$ 以下の整数値をとりうるものとします。

(3)

$1201$ は, $0$, $1$, $2$ の 3 種類の数字からできています。このように 3 種類の数字からできている 4 桁の整数は全部で何個ありますか。

(4)

下の図において, $\mathrm{AB}=\mathrm{DA}=\mathrm{EF}=3\text{ cm}$, $\mathrm{BC}=\mathrm{AE}=\mathrm{FG}=5\text{ cm}$, $\mathrm{CA}=\mathrm{ED}=\mathrm{GE}=4\text{ cm}$, $\angle{\mathrm{BAC}}=\angle{\mathrm{ADE}}=\angle{\mathrm{FEG}}=\angle{\mathrm{CHG}}=90\degree$ であり, $\mathrm{B}$, $\mathrm{C}$, $\mathrm{H}$ は同一直線上にあります。このとき

(a)

$\mathrm{CG}$ の長さを求めなさい。

(b)

五角形 $\mathrm{ABHGE}$ の面積を求めなさい。

(5)

$\mathrm{AD}$ と $\mathrm{BC}$ が平行な四角形 $\mathrm{ABCD}$ と, 辺 $\mathrm{CD}$ 上の点 $\mathrm{E}$ は, $\mathrm{AD}:\mathrm{BC}=2:3$, $\mathrm{AB}=\mathrm{DC}=20\text{ cm}$, $\triangle{\mathrm{AEB}}:\triangle{\mathrm{EBC}}=3:1$ を満たします。

(a)

$\mathrm{DE}$ の長さを求めなさい。

(b)

辺 $\mathrm{AB}$ 上に点 $\mathrm{F}$ を取ったところ, $\triangle{\mathrm{AFE}}=\triangle{\mathrm{FEC}}$ を満たしました。このとき, $\mathrm{AF}$ の長さを求めなさい。

(6)

四角錐 $\mathrm{E\text{\textendash}ABCD}$ はすべての辺の長さが等しく, 底面 $\mathrm{ABCD}$ が正方形であり, $\mathrm{E}$ から底面におろした垂線の長さが $4\text{ cm}$ です。辺 $\mathrm{AB}$ 上に点 $\mathrm{P}$, 辺 $\mathrm{EB}$ 上に点 $\mathrm{Q}$, 辺 $\mathrm{ED}$ 上に点 $\mathrm{R}$ を, $\mathrm{AP}:\mathrm{PB}=\mathrm{EQ}:\mathrm{QB}=\mathrm{ER}:\mathrm{RD}=3:1$ となるように取ります。三点 $\mathrm{P}$, $\mathrm{Q}$, $\mathrm{R}$ を通る面でこの四角錐を切断し, 2 つの立体に分けます。このとき, 大きいほうの立体の体積を求めなさい.

2

整数 $X$ に対し, $\langle X \rangle$ を $X$ の各位の桁を掛け合わせた数とします。つまり, $\langle 238 \rangle=48$, $\langle 2018 \rangle=0$ です。

(1)

次の計算をしなさい。

(a)

$\langle1234567\rangle$

(b)

$\langle\langle123456789\rangle\rangle$

(c)

$\langle 1 \rangle + \langle 2 \rangle + \cdots + \langle 98 \rangle + \langle 99 \rangle + \langle 100 \rangle$

(2)

次の式を満たす $1$ 以上 $1000$ 以下の整数 $N$ はいくつありますか。

(a)

$\langle N\rangle= 0$

(b)

$\langle \langle N\rangle\rangle= 24$

(3)

$1$ 以上 $1000$ 以下のすべての $N$ に対し, $\langle N\rangle$ がとりうる値は $1$ 以上 $100$ 以下の中にいくつありますか。

3

さとし君は期末試験で到底親には見せられないような点数を取ってしまいました。そこでさとし君はテストを川に流すことを計画しました。さとし君はこのテストに細工をし, 川に流れた時間の合計 (分) がテストの点数 (点) に達すると完全に溶けきるようにしました。次の問いに答えなさい。ただし, どの試験も $100$ 点満点であり, 点数は整数値です。先生方は優しいので温情で $0$ 点はつけません。ボートの静水時の速さ, 川の速さはそれぞれ一定です。また, 皆さんは悪いテストを隠蔽するようなことは絶対にしないでください。

(1)

さとし君は英語, 国語, 社会, 理科, 数学の順に点数が悪く, 数学の点数は $11$ 点, 5 教科の平均点は $6.8$ 点であり, どの 2 個のテストを見ても点数が互いに素でした。考えられる点数の組み合わせを全て答えなさい。ただし, 解答の際, $(\text{英語}, \text{国語}, \text{社会}, \text{理科})$ の順に答えなさい。解答欄をすべて使うとは限りません。また, 二数 $A$, $B$ が互いに素, とは $A$ と $B$ の最大公約数が $1$ であることを指します。

実際のさとし君の点数は, (1) のうち $\text{(理科の点数)}-\text{(英語の点数)}$ が最大のものでした。さとし君の家と学校の間には川があり, 学校の方が上流です。この川には毎日同じ時間に 2 種類のボートの定期船が運航されていて, いずれも学校とさとし君の家を往復しています。ボート A は学校, さとし君の家についた瞬間に折り返します。ボート B は学校に着いた瞬間は折り返すが, さとし君の家に着くと毎回同じ時間だけ (流されないで) 止まってから折り返します。$11$ 時にボート A とボート B は同時に学校に出発し, $11$ 時 $30$ 分に 2 往復したボート A と, 1 往復したボート B が同時に学校に着きます。さとし君はある日学校から $11$ 点の数学のテストを回収し, 学校 $11$ 時発のボート A に乗り, 出発した $2$ 分後にそのテストを川に流しました。さとし君の家を折り返し, 「もうすぐで残り $3$ 分で完全に溶けきるテストと出会うだろうし, これで一安心^^」, と気を抜いていたところ, 学校 $11$ 時発のボート B に乗った母親と出会い, 母親にそのテストを見せられ絶望しました。そのテストはあと $9$ 分 $40$ 秒流せば完全に溶けきる状態でした。母親はさとし君の怪しい行動に気付いていたのでした。その後さとし君は母親に $27$ 分 $20$ 秒叱られました。

(2)

ボート B がさとし君の家に止まっている時間を求めなさい。

別の日, 懲りないさとし君は残り 4 教科のテストを学校から回収し, $11$ 時にボート A に乗った。今度は作戦を成功させようと考えていましたが, 母親がそうはさせないと $11$ 時にボート B に乗り, 父親はさとし君の家の前で待機しています。溶けきっていないテストが母親に拾われたり, 家に流れ着いたりするとさとし君は人生の終わりです。一回流したテストをさとし君がもう一回拾って回収することや, 母親と出会った瞬間に捨てることもでき, さとし君と母親はそれぞれボート A, B に乗り続けているものとします。

(3)

父親にも母親にも拾われないようにするとき, 理科のテストは早くて $11$ 時何分に溶かしきれますか。

(4)

さとし君は $11$ 時からある時間ごとに 1 枚ずつテストを流すことにしました。何分間隔でテストを流すと父親にも母親にも拾われずに処分することができますか。考えられる最小のものを求めなさい。ただし $11$ 時ちょうどにはテストを流さないものとします。

さとし君は残りのテストを全て処分することに成功しましたが, 捨てるわけにはいかない通知表が母親に見つかり, 結局ひどく叱られたのでした。

(おしまい)

解答

○数字は配点

1 ㊵

(1) $(30,29,28)$ ⑥中
(2) $96\text{ 点}$ ⑥超易
(3) $3888\text{ 個}$ ⑥易
(4) (a) $5\text{ cm}$ (b) $25.36\text{ cm}^2$ ③易+④中
(5) (a) $14\text{ cm}$ (b) $5\text{ cm}$ ④難+④難
(6) $22.5\text{ cm}^3$ ⑦中

2 ㉒

(1) (a) $5040$ (b) $0$ (c) $2070$ ②超易+②超易+④易
(2) (a) $181\text{ 個}$ (b) $26\text{ 個}$ ④中+④中
(3) $46\text{ 個}$ ⑥難

3 ㉓

(1) $(2, 5, 7, 9)$, $(1, 5, 8, 9)$, $(3, 5, 7, 8)$ ⑤易
(2) $3\text{ 分}$ ⑥難
(3) $11$ 時 $15$ 分 ⑥難
(4) $2.7\text{ 分}$ ⑥超難

超易 10 点+易 18 点+中 25 点+難 26 点+超難 6 点= 85 点満点

(コメント)

全体的に難易度の高いセットとなりました. しかし, その中でも取れる問題はあるはずです. 自分の取れそうな問題を取って, それから簡単そうであったり得意分野であったり筋道がすぐに立つような問題を優先的に解いていき, 点数を稼いでいくことが大切です. 算数でごり押したい人は 70 点, 算数が得意な人は 50 点, 苦手な人は 30 点を目指しましょう. もちろん, これが解けたからといって実際に合格するとは限りませんし, 解けなかったからと言って受からないとは限りません.

解説

1

小問集合

(1)

$$\begin{aligned}2100&=20\times 30+19\times 30+31\times 30 \\ 2019&=20\times x+19\times y+31\times z\end{aligned}$$ 引き算すると $81=20\times (30-x)+19\times (30-y)+31\times (30-z)$. $x$, $y$, $z\leqq 30$ だから $30-x$, $30-y$, $30-z$ は $0$ 以上の整数で, この範囲で探すと $(30-x,30-y,30-z)=(0,1,2)$ のみであることがわかる. よって答えは $(x,y,z)=(30,29,28)$ のみ

(2)

$A+B+C+D+E=400$, $A:B=11:5$, $C:D=9:7$ だから $A=\textcircled{\footnotesize{11}}$, $B=\textcircled{\footnotesize{5}}$, $C=\boxed{9}$, $D=\boxed{7}$ とすると $E=400-16\times (\textcircled{\footnotesize{1}}+\boxed{1})$. $\textcircled{\footnotesize{11}}\leqq 100$ より $\textcircled{\footnotesize{1}}\leqq 9$, $\boxed{9}\leqq 100$ より $\boxed{1}\leqq 11$, $0\leqq 400 -16\times (\textcircled{\footnotesize{1}}+\boxed{1})\leqq 100$ より $19\leqq\textcircled{\footnotesize{1}}+\boxed{1}\leqq 25$. よって $(\textcircled{\footnotesize{1}},\boxed{1})=(8, 11)$, $(9, 10)$, $(9, 11)$. $(9, 11)$ のとき A と C が同点になるので不適, よって $(8, 11)$, $(9, 10)$ のいずれかだが, いずれにせよ $E=96\text{ (点)}$

(3)

千の位が $1$ の場合を調べて, それを $9$ 倍すればよい. 2 個使うのが

(i) $1$ のとき

$1$ の位置が $3$ 通り, 残り 2 枠には相異なる $1$ でない二数が入るので, $3\times 9\times 8=216$ 通り

(ii) $1$ 以外の時

一致する数が $9$ 通り, その 2 個の位置が $3$ 通り, 残り 1 枠は $8$ 通りなので $9\times 3\times 8=216$ 通り. 合計 $432$ 通り. よって, $432\times 9=3888$ 個

(4)

(a)

$\mathrm{AC}\perp\mathrm{DE}$, $\mathrm{DE}\perp\mathrm{EG}$ より $\mathrm{AC}\parallel\mathrm{EG}$, $\mathrm{AC}=\mathrm{EG}$ より四角形 $\mathrm{ACGE}$ は平行四辺形. よって $\mathrm{CG}=5\text{ cm}$.

(b)

$\mathrm{D}$ を通り $\mathrm{BH}$ に平行な直線と $\mathrm{C}$ を通り $\mathrm{GH}$ に平行な直線との交点を $\mathrm{I}$ とすると, $\mathrm{DI}=0.8\text{ cm}$, $\mathrm{CI}=0.6\text{ cm}$ であるから, $\mathrm{CH}=4.8\text{ cm}$, $\mathrm{HG}=1.4\text{ cm}$. よって$\text{五角形 $\mathrm{ABHGE}$}=\text{(三角形 $\mathrm{ABC}$)}+\text{(平行四辺形 $\mathrm{ACGE}$)}+\text{(三角形 $\mathrm{GCH}$)}=6+16+3.36=25.36\text{ cm}^2$

(5)

(a)

直線 $\mathrm{AB}$, $\mathrm{CD}$ の交点を $\mathrm{X}$ とすると, $\mathrm{XA}=\mathrm{XD}=40\text{ cm}$ である. よって, $\triangle{\mathrm{EXA}}:\triangle{\mathrm{EAB}}=2:1$ であるから, $\triangle{\mathrm{BXE}}:\triangle{\mathrm{EBC}}=3\times 3:1=9:1$. よって $\mathrm{DE}=20-60\div10=14\text{ cm}$

(b)

$\triangle{\mathrm{FXE}}:\triangle{\mathrm{FEC}}=9:1$ であるから, $\triangle{\mathrm{EXA}}:\triangle{\mathrm{EAF}}=8:1$. よって $AF=40\div8=5\text{ cm}$

(6)

$\mathrm{E}$ から底面におろした垂線の足を $\mathrm{H}$ とする. このとき $\mathrm{HA}=\mathrm{HB}=\mathrm{HC}=\mathrm{HD}=4\text{ cm}$ であるから, 全体の体積は $\dfrac{128}{3}\text{ cm}^3$ である. 簡単な作図により, 切断面は五角形になることがわかる. 切断面と線分 $\mathrm{AD}$, 線分 $\mathrm{EC}$ の交点を $\mathrm{S}$, $\mathrm{T}$ とする. $\mathrm{QR}\parallel\mathrm{PS}$ より $\mathrm{AS}:\mathrm{SD}=3:1$. $\mathrm{QR}$ と $\mathrm{EH}$ の交点を $\mathrm{F}$ とすると $\mathrm{EF}:\mathrm{FH}=3:1$. $\mathrm{AC}$ と切断面の交点を $\mathrm{U}$ とすると, $\mathrm{AU}:\mathrm{UH}=3:1$. 三角形 $\mathrm{EAC}$ に注目する. $\mathrm{R}$ は直線 $\mathrm{UF}$ と辺 $\mathrm{EC}$ との交点. $\mathrm{E}$ を通り $\mathrm{AC}$ に平行な直線と $\mathrm{UF}$ の交点を $\mathrm{G}$ とすると $\mathrm{EG}:\mathrm{HU}=3:1$ であるから, $\mathrm{EG}:\mathrm{UC}=3:(1+4)=3:5$ より $\mathrm{ET}:\mathrm{TC}=3:5$. $\mathrm{E-ABCD}$ を三角形 $\mathrm{EBD}$ で分けて考える。$\mathrm{C}$ 側の立体で切断面より上の部分の体積は $\dfrac{64}{3}\times \dfrac{3}{4}\times\dfrac{3}{4}\times\dfrac{3}{8}=\dfrac{9}{2}\text{ cm}^3$. $\mathrm{A}$ 側の立体で切断面より下の部分 (断頭三角柱) の体積は, $1\times 1\div 2\times \dfrac{6+8+6}{3}=\dfrac{10}{3}\text{ cm}^3$. $\dfrac{9}{2}>\dfrac{10}{3}$ より, 求める体積は $\dfrac{64}{3}+\dfrac{9}{2}-\dfrac{10}{3}=22.5\text{ cm}^3$

2

(1)

$\langle \square1\rangle+\langle \square2\rangle+\cdots+\langle \square9\rangle=\square\times (1+2+\cdots+9)=45\times \square$ より, $\text{与式}=(1+1+2+3+\cdots+8+9)\times 45=2070$

(2)

(a)

いずれかの桁に $0$ が含まれるような数がいくつあるかを求めればよい. 桁数で場合分けする.

(i) 1 桁

$0$ 個

(ii) 2 桁

1 の位が $0$ であるもの → $9$ 個

(iii) 3 桁

$\text{(十の位が $0$ であるもの)}+\text{(一の位が $0$ であるもの)}-\text{(一の位も十の位も $0$ であるもの)}=9\times 10+9\times 10-9=171\text{ 個}$

(iv) 4 桁

$1000$ のみ → $1$ 個

以上を足して, $181$ 個

(b)

$N$ は $1000$ 以下より $\langle N\rangle$ は $729$ 以下 (特に, 3 桁以下). $24=3\times 8=4\times 6=2\times 2\times 6=2\times 3\times 4$ であることと, $\langle N\rangle$ は 2 桁の素因数を持たないことより, $\langle N\rangle=64$, $243$, $324$, $432$

  • $64=1\times 8\times 8=2\times 4\times 8=4\times 4\times 4$ より 2 桁は $1$ 個, 3 桁は $10$ 個
  • $243=9\times 9\times 3$ より $3$ 個
  • $324=9\times 9\times 4=9\times 6\times 6$ より $6$ 個
  • $432=9\times 8\times 6$ より $6$ 個

以上を足して $26$ 個

(3)

桁数が十分大きいので, $11$ 以上の素因数を持たない数は作ることができる. 作れない数の個数を求める. $11$ の倍数:$9$ 個, $13$ の倍数:$7$ 個, $17$ の倍数:$5$ 個, $19$ の倍数:$5$ 個, $23$ の倍数:$4$ 個, $29$ の倍数:$3$ 個, $31$ の倍数:$3$ 個, $37$, $41$, $43$, $47$ の倍数:$2$ 個ずつ, $53$, $59$, $61$, $67$, $71$, $73$, $79$, $83$, $89$, $97$ の倍数:$1$ 個ずつ. これらを足して $54$ 個. よって求める個数は $100-54=46$ 個

3

(1)

4 教科の合計点は $23$ 点なので, 偶奇を見ると偶数 $1$ 個, 奇数 $3$ 個であることがわかる. 偶数のものがいくつかで場合分けして調べればよい. $(2, 5, 7, 9)$, $(1, 5, 8, 9)$, $(3, 5, 7, 8)$

(この先の準備)

  • $(\text{英}, \text{国}, \text{社}, \text{理})=(1, 5, 8, 9)$
  • テストを捨ててから折り返すまでの時間と折り返してからテストを (自分で) 拾うまでの時間は等しい. …なぜならば捨ててから折り返すまでの時間を $\square$ とすれば, 折り返す瞬間にテストとボートの間の距離は $\square\times\text{(ボートの静水時の速さ)}$ であり, 追いつくまでの時間はこれを $\text{(ボートの静水時の速さ)}$ で割った $\square$ であるからである. このことに注意する.

(2)

母親が回収しなければテストは $8$ 分流されてさとし君が出会っているので, 捨ててから折り返すまでは $4$ 分. よってさとし君は $6$ 分で下りきり, $15-6=9$ 分で登りきる. よって $\text{($\text{A の速さ}+\text{川の速さ}$)}:\text{($\text{A の速さ}-\text{川}$)}=3:2$, つまり $\text{(A の速さ)}:\text{(川の速さ)}=5:1$. A の速さを $\boxed{5}/\text{分}$, 川の速さを $\boxed{1}/\text{分}$ とすると学校〜家間の距離は $36$. 実際は $1$ 分 $20$ 秒流れていたことから, 学校から母親に拾われた地点までの距離は $\boxed{6}\times 2+\boxed{1}\times\dfrac{4}{3}=\dfrac{40}{3}$. よって $\text{($\text{B の速さ}+\text{川の速さ}$)}=\boxed{\dfrac{40}{3}}\div\dfrac{10}{3}=\boxed{4}$. つまり B の速さは $\boxed{3}$. さて, B が往復するのにかかる時間は $\boxed{36}\div\boxed{4}+\boxed{36}\div\boxed{2}=27\text{ 分}$ であるから, 求める待ち時間は $30-27=3\text{ 分}$

(3)

理科は $9$ 点. はじめて母親と出会うまでに溶かすことのできる時間は, ちょうど母親と出会う瞬間に拾う場合が最大. 出会う時間は $11$ 時 $7.5$ 分であるから, $(7.5-6)\times 2=3$ 分間溶かせる. $7.5$ 分に流したテストは $5$ 分後に B と出会い, $15$ 分に流したテストは $10$ 分後に B と出会う. この二つの動きがダイヤグラムで平行であることに注意すれば, $7.5+(15-7.5)\div 5=9\text{ 分}$ に流したテストは $6$ 分後に B と出会う. よって, $11$ 時 $15$ 分.

(4)

$4.5$ 分までに 2 回以上流すことは不可能なので, $2.25$ 分間隔以上である. また, $6$ 分から $7.5$ 分にテストを流すと家についてしまうため, $2.5$ 分間隔以上である. $2.5+\triangle$ ($0\leqq\triangle<0.5$) 分間隔で流すとき, さとし君が学校にはじめて戻ってくるまでにテストをちょうど 5 回流すことができ, テストを流すことのできる時間は, $\dfrac{5}{3}+\dfrac{2}{3}\triangle$ (拾えない), $2-4\times\triangle$ (拾える), $5+2\times\triangle$, $\dfrac{20}{3}+\dfrac{8}{3}\times\triangle$, $\dfrac{25}{3}+\dfrac{10}{3}\times\triangle$ 分である. 6 回目を流すためには $7.5$ 分より後に流したテストを拾う必要があるが, 最後に流したテストを拾うのは $5-10\times\triangle$ 分後であるから, これが $2.5+\triangle$ 分より短いか等しい必要がある. $5-10\times\triangle\leqq 2.5+\triangle$ を解くと $\triangle\geqq\dfrac{5}{22}$ となる. $\triangle<\dfrac{5}{22}$ のとき, 5 回で流しきらなければならない. 一回目は $1$ 点のテストのみ流せる. 三回目は $5$ 点のテストを, 二回目に時間を稼がなくても流しきることができる. 4 回目のみで $8$ 点以上のテストを流すことはできないので, 2 回目に流したテストと 4 回目に流すテストは同じである. よってこのテストは $2-4\times\triangle+\dfrac{20}{3}+\dfrac{8}{3}\times\triangle=\dfrac{26}{3}-\dfrac{4}{3}\times\triangle$ 点以下でなければいけないので, $8$ 点のテストである ($\triangle<0.5$ であるからこれは流しきれる). つまり 5 回目に流すテストが $9$ 点であるので, $\dfrac{25}{3}+\dfrac{10}{3}\times\triangle\geqq9$ を満たす必要があり, これを解くと $\triangle\geqq0.2$. 以上より, $2.7$ 分が最小.