2022年度文化祭 高校入試予想問題


H1 I1 数学

(問題)(目安:60 分)

(注意)答えの根号の中はできるだけ簡単にし、分母に根号がない形で表すこと。円周率は $\pi$ を用いること。

1

放物線 $y=x^2$ 上に点 $P(\sqrt{3},3)$ があり点 $P$ を通る傾き $m$ の直線がこの放物線と点 $Q$ ($\neq P$) で交わっている。また $\triangle{PQR}$ が正三角形となるように点 $R$ をとる。

(1)

点 $Q$ の座標を $m$ を用いて表せ。

(2)

点 $R$ の座標としてありうるものを、$m$ を用いて表せ。

(3)

点 $R$ が放物線 $y=x^2$ 上にあるとき $m$ の値としてありうる物を全て求めよ。

2

一辺の長さが $1$ の正五角形 $ABCDE$ がありその重心を $G$ とすると $AG=BG=CG=DG=EG=r$ となった。

(1)

$r^2$ の値を求めよ。

一辺の長さが $1$ の正十二面体がある。この正十二面体の各面の重心を頂点とするような正二十面体について考える。

(2)

この正二十面体の一辺の長さを $x$ とする。$x^2$ の値を求めよ。

(3)

この正二十面体の体積を $V$ とする。$V^2$ の値を求めよ。

3

三角形 $ABC$ は周の長さが $12$ であり外接円の半径の長さが $\dfrac{5}{2}$ である。また外接円上に $BP=CP$ となるように点 $P$ をとると三角形 $ABC$ と三角形 $PBC$ の面積の比が $3:1$ となった。

(1)

三角形 $ABC$ の内接円の半径の長さを求めよ。

(2)

辺 $AB$, $BC$, $CA$ の長さを求めよ。ただし $AB<CA$ とする。

4

さいころを 6 こ同時に投げ出た目の数の和を $X$, 出た数の積を $Y$ とする。ただしこれらどのさいころについても、さいころを投げた時にどの面が出ることも同様に確からしいものとする。

(1)

$X$ が素数となる確率を求めよ。

(2)

$X$ と $Y$ の最小公倍数が $360$ となる確率を求めよ。

(3)

$X$ と $Y$ の最大公約数が $1$ となる確率を求めよ。

解答

1

(1)

直線 $PQ$ の式は $y=m(x-\sqrt{3})+3$ と表せる。$$\begin{aligned}y&=m(x-\sqrt{3})+3 \\ y&=x^2 \end{aligned}$$ これを解いて $\underline{Q(m-\sqrt{3},m^2-2\sqrt{3}m+3)}$ とわかる。

(2)

線分 $PQ$ の中点 $M$ の座標は $\biggl(\dfrac{m}{2},\dfrac{m^2-2\sqrt{3}m+6}{2}\biggr)$ である。$m\neq0$ のとき、線分 $PQ$ の垂直二等分線の式は $y=-\dfrac{1}{m}\biggl(x-\dfrac{m}{2}\biggr)+\dfrac{m^2-2\sqrt{3}m+6}{2}$ と表せ、$MR=\dfrac{\sqrt{3}}{2}PQ$ であることから $$\begin{aligned}y&=-\dfrac{1}{m}\biggl(x-\dfrac{m}{2}\biggr)+\dfrac{m^2-2\sqrt{3}m+6}{2} \\ \dfrac{3}{4}((m-2\sqrt{3})^2+(m^2-2\sqrt{3}m)^2)&=\biggl(x-\dfrac{m}{2}\biggr)^2+\biggl(y-\dfrac{m^2-2\sqrt{3}m+6}{2}\biggr)^2\end{aligned}$$ これを解いて $$\underline{R(-\sqrt{3}+7m/2,m^2-\sqrt{3}m/2),(\sqrt{3}m^2-5m/2,m^2-3\sqrt{3}m+12/2)}$$ またこれは $m=0$ のときも明らかに成り立つ。

(3)

点 $R$ が放物線 $y=x^2$ 上にあることから $$m^2-\sqrt{3}m/2=(-\sqrt{3}m^2+7m/2)^2\text{ または }m^2-3\sqrt{3}m+12/2=(\sqrt{3}m^2-5m/2)^2$$

$m=0$ で $P(\sqrt{3},3)$, $Q(-\sqrt{3},3)$, $R(0,0)$ のとき、$m=2\sqrt{3}$ で直線 $PQ$ が放物線 $y=x^2$ に接するときにこれを満たすことに注意すると $$m=0,\ \sqrt{3},\ 2\sqrt{3},\ 4\sqrt{3}\pm\sqrt{51}/3,\ \sqrt{3}\pm\sqrt{51}/6$$ このうち題意を満たすのは $$\underline{m=0,\ \sqrt{3},\ 4\sqrt{3}\pm\sqrt{51}/3,\ \sqrt{3}\pm\sqrt{51}/6}$$

3

(1)

$\triangle{AEX}\equiv\triangle{DGY}$ であるから $$\begin{aligned}r^2&=(1/2 CD)^2\times(AE/AX)^2\\ &=(1/2)^2×{1^2/1^2-(1+\sqrt{5}/4)^2}\\ &=\underline{5+\sqrt{5}/10}\end{aligned}$$

(2)

点 $G ^ \prime$ は正五角形 $A ^ \prime B ^ \prime CDE ^ \prime$ の重心、点 $X ^ \prime$ は線分 $A ^ \prime Y$ と線分 $B ^ \prime E ^ \prime$の交点とする。$GG ^ \prime=x$ であるから $$\begin{aligned}x^2 &= (XX ^ \prime)^2×(GY/XY)^2 \\ &=(1+\sqrt{5}/2)^2×{(1/2)^2×(1+\sqrt{5}/4)^2/1^2-(1+\sqrt{5}/4)^2}×{1^2-(1/2)^2(1+\sqrt{5}/2 -1)^2} \\ &=\underline{7+3\sqrt{5}/10} \end{aligned}$$

(3)

$$\begin{aligned}V^2&=(15+5\sqrt{5}/12)^2\times(7+3\sqrt{5}/10)^3\\ &=\underline{2207+987\sqrt{5}/360}\end{aligned}$$

3

(1)

$\triangle ABC>\triangle PBC$ より点 $P$ は点 $A$ と直線 $BC$ に対して反対側にある。ここで点 $A^\prime$ ($\neq A$) を $PA=PA^\prime$ となるように直線 $AB$ 上にとると、$\triangle A^\prime PB\equiv\triangle APC$, $\triangle A^\prime PA\equiv\triangle BPC$ であり、$\triangle ABC:\triangle PBC=3:1$ であることから、$AB+CA:BC=2:1$ である。このことと、三角形 $ABC$ の周の長さが $12$ であることから $BC=4$。三角形 $ABC$ の外心 $O$ から辺 $BC$ におろした垂線の足を $H$ とすると、直角三角形 $OHC$ において三平方の定理より $(5/2)^2=OH^2+2^2$。$\therefore OH=3/2$。また、点 $H$ は線分 $OP$ 上にあるから $PH=5/2-3/2=1$。このことと $\triangle ABC:\triangle PBC=3:1$ より、三角形 $ABC$ の辺 $BC$ を底辺としたときの高さは $3$ である。ここで三角形 $ABC$ の内接円の半径の長さを $r$ とすると $3\times4\times1/2=1/2 r\times12 \therefore \underline{r=1}$

(2)

まず $\underline{BC=4}$ ((1) での議論より)。また三角形 $ABC$ の辺 $BC$ を底辺にしたときの高さが $OH$ の $2$ 倍であることと $AB<CA$ より、線分 $CA$ は三角形 $ABC$ の外接円の直径であり、$\underline{CA=5}$。また、$AB+CA=8$ より $\underline{AB=3}$ である。

4

(1)

さいころを $n$ ($\geqq 2$) 個同時に投げたときの出た目の数の和が $m$ となる組み合わせの数は、さいころを $n-1$ 個同時に投げたときの出た目の数の和が $m-1$, $m-2$, $m-3$, $m-4$, $m-5$, $m-6$ となる組み合わせの数の和であるから、$X$ が素数となる組み合わせの数の和は $6+252+756+2856+3906+3906+756+252=12690$。よって $X$ が素数となる確率は $12690/6^6=\underline{235/864}$

(2)

$Y\mid 360$, $(Y+5)Y\geqq XY\geqq 360$ より、$Y=18$, $20$, $24$, $30$, $36$, $40$, $45$, $60$, $72$, $90$, $120$, $180$, $360$ である。$X$ と $Y$ の最小公倍数が $360$ となるさいころの出た目の数の組み合わせは

  • $Y=18$, $20$, $24$, $30$, $36$, $40$, $45$, $60$ のとき $0$ 通り
  • $Y=72$ のとき $180$ 通り
  • $Y=90$ のとき $0$ 通り
  • $Y=120$ のとき $120$ 通り
  • $Y=180$ のとき $0$ 通り
  • $Y=360$ のとき $720$ 通り

よって $X$ と $Y$ の最小公倍数が $360$ となる確率は $\underline{1020/6^6=85/3888}$

(3)

$X$ と $Y$ の最大公約数が $1$ となるさいころの出た目の数の組み合わせは、$X=6$ のとき $1$ 通り, $X=7$ のとき $6$ 通り, $X=8$ のとき $6$ 通り, $X=9$ のとき $26$ 通り, $X=10$ のとき $15$ 通り, $X=11$ のとき $252$ 通り, $X=12$ のとき $0$ 通り, $X=13$ のとき $756$ 通り, $X=14$ のとき $90$ 通り, $X=15$ のとき $80$ 通り, $X=16$ のとき $126$ 通り, $X=17$ のとき $2856$ 通り, $X=18$ のとき $20$ 通り, $X=19$ のとき $3906$ 通り, $X=20$ のとき $0$ 通り, $X=21$ のとき $320$ 通り, $X=22$ のとき $90$ 通り, $X=23$ のとき $3906$ 通り, $X=24$ のとき $0$ 通り, $X=25$ のとき $570$ 通り, $X=26$ のとき $21$ 通り, $X=27$ のとき $26$ 通り, $X=28$ のとき $6$ 通り, $X=29$ のとき $756$ 通り, $X=30$ のとき $0$ 通り, $X=31$ のとき $252$ 通り, $X=32$, $33$, $34$, $35$, $36$ のとき $0$ 通り。よって $X$ と $Y$ の最大公約数が $1$ となる確率は $\underline{14087/6^6=14087/46656}$